食事中の水分摂取によって睡魔がやってくる?

ここを書いている時に、よく噛んで食べれば水で流し込まずに済むという事を目にしまして。自分の食事をちょっと振り返ってみました。

噛むということを意識して食事をしていなかったのと、どちらかと言うと水を飲む量が多かったなと。もしかして流しこんでるからじゃないだろうかと、そんな事を思いました。

今までよく噛んで食べるという点については、ダイエット関連の情報として耳にする事が多く、あまり気にしていませんでした。こういうものです

ゆっくり食べると食後の血糖値も食事のスピードに合わせてゆっくり上昇するため、血管の内皮細胞のストレスも軽減されます。また、早食いの人はそうでない人に比べると太りやすいというデータもあります。太っていると糖尿病になりやすいわけですから、ゆっくりよく噛んで食べることは、少量の食事でも満腹感が得られるようになるため重要なのです。(LINK)

しかし、これは血糖値の急激な上昇とリンクしますよね。

短時間で一気に食べてしまうと、その分一気に吸収されてしまいます。ゆっくり時間をかけてする食事では、段々と血糖値が上がり(それによって満腹中枢も刺激されて)食べ過ぎる事もなくなると。

小学生の頃に、一口につき30回は噛みなさいみたいなことを言われていた事を思い出しましたが、今になってその重要性に気付くとは…。社会に出てから短い時間で食事を摂る事が当たり前になっていましたが、この週間が食後高血糖に影響を与えていたことに改めて気づきました。

食事で「よく噛む」と糖尿病リスクが低下 6800人を調査

 時間をかけてよく噛んで食べることが、食事誘導性熱産生やグルコース代謝に影響し、食後高血糖や肥満を改善することは、過去の研究で確かめられている。よく噛むと、食欲を抑制する「GLP-1」などの消化管ホルモンの分泌も促される。

*グルコース代謝とは炭水化物の代謝のことです

こちらの記事に引用されているのは京都大学の研究成果です。

 「今回の研究によって噛む力が強いほど、糖尿病リスクが低下することが確かめられました。また、食事時間が長いことが糖尿病リスクを下げる因子となることが示されました」と、家森氏は述べている。

良く噛んで食べることで何が起こるのか

良く噛んで食事をするということは、より時間をかけて食べるということなので、少しずつ血糖値が上がるようになるよねということは分かります。しかし、良く噛むというのは、その物理的な側面だけでなく、ホルモン分泌に関連しているということが分かっています。

よく噛んで食べるとGLP-1とPYYの分泌が亢進する(日経メディカル)

ここでは、良く噛んで食べることで、2つのホルモン分泌が亢進(高い度合に(まで)進むこと。)すると書かれています。

GLP-1とは、以下の様なホルモンです。

GLP-1とは、グルカゴン様ペプチド-1 (Glucagon-like peptide-1) の略。 1983年に同定された消化管ホルモンで、消化管に入った炭水化物を認識して消化管粘膜上皮から分泌される。via wikipedia

PVYとは、以下のようなペプチドを指します。

◆Peptide YY(PYY)は、食欲抑制作用のあるpeptide hormoneで、食後に胃のL-cellという内分泌細胞から分泌されると報告されている。PYYのうち『PYY3-36』について、米国の Nastech Pharmaceutical社が鼻腔投与製剤の開発を行い、Merck社と全世界的な提携をしたと発表した。『PYY3-36』は肥満の治療薬として開発されており、第I相臨床試験段階にあるとされる。

血糖値に関係すると言うことで考えればGLP-1が重要な働きをしそうです。(とは言え、記事中の結果でいうと、健常者では食後血糖値に有意差は無かったと書かれていますが)

よく噛んで食べるとGLP-1やPYY値が上昇、肥満の人でも確認
こちらは一年後(2011)の発表について。

今度は肥満の人を対象としています。結果としては「食後の血糖値やインスリン値の上昇については、両群で有意差はなかった。」との事でした。GLP-1あんまり関係ないのかな。

さて、そんな事を調べていると、咀嚼学会の資料にたどり着きました。

日本咀嚼学会からの発信(1)(PDF)

30回噛めと言われるけど、何でもかんでも一律でそうするのは無理があるでしょう?結局どうすればいいの?ということへの解答です。

咀嚼学会では健康を維持するために良く噛むことを推奨していますが 30 回と いう咀嚼回数はあくまで目安であると考えています。「30 回噛めば良い」または 「30 回噛まなければならない」と決めつけているわけではありません。基本的 には、安全に飲み込めることが重要なので、30 回というのは、ある食品を健康 な人が食べる場合の目安です。食品によっても健康状態によっても噛む回数は 違ってきます。飲み込みに問題がないのであれば、寿司やソバを食べるときな ど、噛み過ぎてまずいと感じるのであれば、美味しい範囲で咀嚼するのもよい でしょう。

分かりやすい。適切にやってくれと、そういうことであると。
大事なこととしては、噛まなすぎても、噛みすぎても食べ物がひとまとまりになって喉の奥に落ちていかないので、そのちょうどいい所までは噛んでよねという事が書かれています。

ここも面白いですね。

35 回咀嚼すると「満腹」を感じるまでの 食事時間は 2 倍になったにもかかわらず、食事量は減少することを見出しています

結果的にトータルで摂る量は減ると。日本人的な食事だとこれが当てはまるかどうかは微妙な気がしますが。(例えばランチタイムで定食を頼むとすると、早く食べようが遅く食べようが完食してしまったら同じですね。ゆっくり食べて且つ残すということは現実的でしょうか)この流れで良い方向に持って行くとすると、いつもより少ない量(大盛りが当たり前だった人が並盛りにするとか)をゆっくり食べて満足してくださいよということになるのかなと。減らす事が最初で、それで満足する身体を作るには良く噛むのが良いだろと、そういうことになるのだと思います。

食べる順番の重要性について

最近は、痩せるためには食べる順番を変えましょうみたいな情報が共有されていると思います。野菜→肉・魚→主食の順番で食べるというものです。(個人的には、最後に米とか食べないでしょって思いますけども)

これについての解説が大阪府立大学地域保健学域教授の今井 佐恵子先生から出されています。

野菜から食べる「食べる順番」の効果(PDF)

野菜から食べるだけで(恐らく重要なのは良く噛んで食べるという部分)食後血糖値がものすごく下がるようです。その原因としてはこれ

食後血糖上昇が抑えられた要因として、野菜 に含まれる食物繊維が糖質、脂質、コレステロー ルの消化吸収を遅らせ、食後の血糖上昇を抑制 したことが考えられる。

食物繊維のおかげなんですねぇ。難消化性デキストリンなんかを紹介してきましたけど、これ食後より食前の方が良いんじゃないかなと思ったりもしますけど、その辺どうなんだろう。

では、最後にこの報告からありがたいお話を引用して結びにしたいと思います。取り敢えずちゃんと噛みなさいと、話はそれからだぞと、そんな事を感じた本日でしたとさ。

急激な血糖上昇は血管内の酸化ストレス、糖化を引き起こし、動脈硬化を進行させるだけでなく、老化もすすめる。
糖尿病、高血圧、脂質異常症は、酸化ストレ ス、糖化、血液凝固系の亢進などにより、相乗 的に細小血管障害および動脈硬化を促進させる が、糖尿病患者だけでなく食後高血糖が認めら れる糖尿病予備軍、さらには健康な人にとって も、「食べる順番療法」 は簡単で実行しやすい食 事として有効であると考える。

老化を防ぎたかったら良く噛むのです。